勤務間インターバル制度とは
■勤務間インターバル制度とは
「勤務間インターバル制度」とは、前日の勤務が終了してから翌日の勤務を開始するまでの間に、一定時間の休息(インターバル時間)を確保する制度をいいます。つまり、「休む時間を保障する制度」です。日本では、2019年の「働き方改革関連法」により努力義務として導入され、企業に制度導入を促す施策が進んでいます。
特に2023年以降は、育児や介護を行う労働者への支援策の一環として、勤務間インターバル制度の導入が一部義務化の方向で検討・推進されています。
EU諸国ではすでに「1日11時間以上の休息時間確保」が法的に義務づけられています。一方で日本では努力義務ながら、心身の健康確保・過労防止の観点から導入企業が増加しています。
■制度導入の目的と効果
勤務間インターバル制度の最大の目的は、過重労働を防ぎ、働く人の生活と健康を守ることです。
期待される具体的な効果は次のとおりです。
|
・長時間労働による心身の疲労やメンタル不調の予防 |
特に近年勤務間インターバル制度は、ワークライフバランスと子育て支援の観点から、育児期社員への支援策の一つとして注目されています。
■法的な位置づけと助成金制度
労働時間等設定改善法により、勤務間インターバル制度は企業に対して努力義務とされています。厚生労働省では制度導入を後押しするため、次のような助成金制度を設けています。
「働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル導入コース」➡ 所定のインターバル時間を設定し、制度導入や就業規則変更、管理システム導入等を行った企業に対して助成
■インターバル時間の設定例
実際に企業が導入している勤務間インターバル時間は、9〜11時間が多く設定されています。たとえば、インターバルを「11時間」と設定した場合、夜22時に退勤した従業員は翌日の出勤を午前9時以降にする必要があります。
夜間シフトや交替制勤務のある職場では、勤務シフトを作成する際にインターバル時間を踏まえる必要があります。
■中小企業にとっての導入メリット
勤務間インターバル制度を導入した場合、企業では次のような効果が期待できます。
|
・残業時間の抑制と勤務時間の見える化 |
特に若手社員や女性従業員の採用で、「働き方に配慮してくれる会社」という印象を与える点はメリットとなるでしょう。